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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
中年女性が冒険の主役であることがこんなにおもしろく感じるなんて、とは思う。私の世代の女性はやはり、若さが失われたら価値がなくなると社会に教えられてきているから、本当はそうでないと頭では理解していても感覚が伴わないことも多い。だから、そういう価値観でないものを見るとそれだけで喜んでしまう。でも、それを差し引いてもすごく良い映画だった。
完成された美しい映画も好きだけれど、これはもう一種類の好きなタイプ。愛と破綻で出来上がっている映画だ。
あれだけ雑多で混沌とした世界観でありながら、主軸の物語はすごくシンプルで胸を打つ。
どのキャラクターも多面的で奥深く、良いところも悪いところもちゃんとある。
どんなにそりの合わない相手でも、違う世界線では寄り添っていたかもしれない。今はうまくいかない愛も別の世界線では絶対的に結び合っていたかもしれない。そういうことを想像できる力があれば「今」も変えられるはずだという信念が全編通して貫かれていた。
2023/03/05(日)
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ない
いつも本当は何も言いたくなく、見たいものも聞きたいものもないのだ。いつも穏やかで静かな状態が良くて、暇や退屈なんて嘘だと思っている。それがどうしてこんなことになっているのか、いつもわからなくて戸惑っているだけだ。
2023/02/26(日)
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夏の記憶
ここ何日か、叔母の遺品を取りに警察署へ行ったときのことを思い出している。
周囲は民家ばかりの中に突如、ニョキっと建っていた大きな薄茶色の警察署。入り口付近は黒っぽい石造りで重厚感があり、夏場は余計に暑苦しく見えた。
そこに辿り着いただけでも既に汗だくでヘトヘトだったし、私も母もとにかくやるべきことを順にこなしているだけのくたびれた人形みたいだった。
私はあの時期、久しぶりに自分の体が自分のものでないような感覚にずっと襲われていて、それでも外では普段以上にテキパキとなんでもやったが、家に帰るたびに膝から崩れ落ち、喉を潰すみたいに鳴らして泣いた。
叔母の死そのものへの純粋な悲しみよりも、叔母の苦痛や選択に自分が関わっていなかったことやうまく関わりようがなかっただろうことに絶望していた。
今やっていることをすべてやめて、細々と生きているうちに死を願わなくてもどうせ野垂れ死にするだろう。そういう漠然とした「もう人間なんかやってられるか」という考えがずっと頭を巡っていた。
そういう思い出は私を無気力にさせる。自分は本当は空っぽで、何も好きじゃなく、何も信じていないのではないか。
だとしたら、ここにいることすら不誠実な行いに思えてくる。
2023/02/14(火)
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変わる
昨日、ベッドに潜り込もうとした時、急に自分がものすごく変わってしまった気がして怖くなった。どの時点の自分と比べているのかわからないし、怖がったってどんどん変わっていってしまうとわかっているのに、今日も怖い気持ちを引きずってしまった。
でも、ずっと変わらないものを捨てずにいるのはすごく嫌だからそれでいいと思う。
2023/02/04(土)
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裏返し
そんなことを話せる友達がいるなんて、という話になるとドキッとする。だって、人生のほとんどは「そんなこと」の集積だ。だから、私は「そんなこと」をとても大事にしている。それなのに、大事でないと感じたものについてはなんでも平気で踏みつけてきている気がするから。
2023/01/26(木)
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