私は生きているとたいていすべてのことに困っていて、それはほとんどのことが自分のせいで悪くなるんじゃないか、あるいは自分のせいで悪いんじゃないかと思ってしまうせいなのだが、彼といると別に何も言われていなくても、いつも「私のせいじゃないから大丈夫」と思える。だから、私も彼に「大丈夫」と思ってもらいたくて一生懸命大事にしている。
2024/01/04(木) 記事URL
ときどきうなされる。大抵は怖い夢を見て、悲鳴をあげて(その声を自分で聞いて)目覚める。それで初めて「うなされていたんだ」と気づく。
慌ててしがみついて息を整えて、そのまままた疲れて眠ってしまうのだが、どうやらそういう時は眠りが浅いらしくて、朝とても眠い。

自分がうなされていることは、目が覚めて心が落ち着いた瞬間に笑える。
「うなされてたのか笑」と思う。もっと砕けて書くとしたら「w」という感じだ。
翌朝、寝足りなくてずっとキテレツ大百科の例の睡眠不足の歌が思い出されているし、そうなると自分が昨夜追い詰められたその悪夢の芯には一体何があるのか探ろうという気もなくなってしまう。

一番最近の悪夢は、私の絵を買ったという、太っていて全身がイボだらけのおじさん(これは夢の中でうっすらと親指姫のヒキガエルの引用だと感じた)が私のいる場所(公共の場所、どこかの店内っぽかったが、それにしては人気がなく静かで、私しかいなかった)に突然入ってきて、絵を買ったのにセックスさせないという理由で、手に持っている私の絵(片手で持てるくらいのサイズで木製のシンプルな額に入っていた)で殴られるという内容だった。殴られそうな時点で悲鳴をあげて目を覚ましたので、痛みや衝撃はまったくなかったし、私はそもそも絵を描いて売ったりしていないのだが、なんとなく身勝手な年配の男性に嫌な目に遭わされるという印象があるのだろう。
2023/10/29(日) 記事URL
子供の頃、レストランで子供用の小さな高い椅子に座るのが好きだった。椅子と体のサイズがしっかりと合うのが気持ちよかったし、視線が高くなって楽しかった。
初めて行ったパーラーでトイレに行く途中、子供用の椅子を見かけてそれを思い出した。

まだやってこなかったことは色々あって、今はそれをどんどん解禁しているという気がする。特に「絶対やらない」と禁止してきたわけではないけれど、「自分はそういうのが好きじゃないのだろうな」と思い込んでいたことでも、やってみたらうれしかったり、おもしろかったりすることはまだある。今年は結局、それがいちばんの発見だったのかもしれない。
2023/10/16(月) 記事URL
BGMのない、赤ん坊が寝転んでいる動画を見ている時、思っていたよりすぐに居心地が悪くなった。それは長尺の作品の一部でなんの設定もストーリーもない動画だったから、余計に居た堪れなくなった。
それをパソコン画面に映して、座って見ている彼の後ろ姿が、より私を居心地悪くさせたが、彼にもまたなんの他意も意図もなく、ただその作品を見ていただけだった。

私は自分が子供を持たなかったことに罪悪感があるのかと考えたがそうではない気がする。たぶん、自分の意思で子供を持たないと決めてそうしたのだという気が未だにしていないのだろう。その都度考えてはいたが、結果的にそうなってしまっただけ。そこには何かを諦めたという気持ちが含まれているからもやもやするのだ。
それに、私はたぶんもう子供を持てないが、彼はどうしても欲しいと思えば方法がある。それが羨ましいのかもしれない。

『君たちはどう生きるか』に「悪意」の話が出てきたが、悪意のない石を積めば穏やかな世界を作れるという大叔父も、自らの頭に傷をつけた自分にもまた悪意があるという主人公にも、私は少し憎しみを抱いていた。彼らの悪意がその程度であることに驚きすらあった。一方、病院の火事で亡くなった母や、その代わりに後妻となった叔母の悪意はどこへ行くのだろう。

だから赤ん坊が見たくないという話ではない。私一人の悪意であんな世界いつでも壊せるという話だ。
2023/08/17(木) 記事URL
自分がこんなに生活そのものを大事にするようになるとは思わなかった。
年齢を重ねて、若い時はおろそかにしていたことが直接心や体調に影響するようになったからということもあるけれど、たぶん、私は生活自体をある程度ちゃんとしようとしている方が幸せなのだ。

物作りだけをできないことにもどかしさも感じるし、限られた中で私が作るものには色々な限界があると思うけれど、自分がどうしたら幸せかということを先に考えてもいい、というか、自分が幸せになるのが優先だと思うようになったのだ。ここ数年かけて。それは時代による考え方の変化で、また変わっていくものかもしれない。でも、今は寝る間も惜しんで作り続けたり、食事をレトルトばかりで済ませたり、そういう時期ではないのだ。
2023/07/26(水) 記事URL