十六日、伸びたショートヘアを近所の美容院でカットし、ソーシキ博士の展示を見に高円寺へ。高円寺の駅にはいつぶりに降り立ったかわからないくらいで、駅の周辺の雰囲気もどんなお店があったかもまるで覚えておらず、お昼を駅のベックスコーヒーで済ませる。ミスタードーナツは潰れてしまったみたい。
駅の脇の道を歩いて、小さな飲み屋と住宅街の境目くらいにギャラリーがあり、知らない人が展示風景をぐるりと動画に収めているところに意図せず映り込んでしまう。
じっくり絵を見て二枚写真を撮り、自分が何者かバレていたので焦りながら冊子を二冊買い、他に言いようのない「無理しないで」というようなことを言って帰る。
「執筆がんばってください」と言われたことが心に残る。今の自分はなかなかがんばれていないと感じるから。
電車の乗り継ぎが多いので、待ちきれず駅のホームで冊子の包装を解いて読み始める。切実で飾り気のない日記に涙が出る。
夜、家人がイベントのため髪にシルバーのカラーワックスを塗ったまま帰宅。スウェットにも塗料がついてしまっている。
どこか興奮冷めやらぬ大変だった仕事の話を聞き、こちらも少し高円寺の話をする。しかし、その後かねてから停滞しているある手続きの件で私が怒り心頭。翌日が休みなこともあって色々話す。
翌日、話の流れで博士の日記を彼に読み聞かせる。今、ちょうど半分くらいだ。
あまくろという猫の名前があまりにも素朴でかわいく、つい何度も声に出してしまう。
あまくろちゃん。