買い物に出かけた帰り、歩道の真ん中で仁王立ちしているおじさんに遭遇した。マスクをせず、ニヤニヤしていた。
昼間、大きな通りの歩道で、おじさんの前には私以外にも歩行者がいた。
私はその道を通らない選択肢はなかったので、そのままスタスタ歩き、おじさんのすぐ横を通り過ぎた。
おじさんは笑みを浮かべたまま、ちらりと私を見た。もしかしたら何か言ったかもしれないけれど、私はイヤホンで音楽を聴いていたからわからなかった。

私はそのおじさんの孤独や焦燥や、私には考えもよらない苦しみやなんかに付き合うことはできない。かける言葉もなかった。ほかの人はどうしただろうとも思ったけれど、振り返らなかった。
私と知らない誰かの間には絆もつながりもない。
外の世界とのつながりの限界が目に見えたような気がして、ひととき孤独が深まった。でも、たぶんこの騒ぎの前からそうだった。
2020/04/17(金) 記事URL
明け方、七、八歳の男の子を膝に抱えている夢を見た。浅黒い細長い手足を畳んで、胡坐をかいた私の膝に乗った男の子を丸ごと抱えるようにして、私は傍らにいる誰か、たぶん男の子のお母さんと話していた。
場所は私の部屋にも思えたが、もう少し広い素朴な雰囲気の場所で、明るい陽が窓から差し込んでいた。
何を話していたかはわからないけれど、そう悪くはない、日ごろのことだったと思う。
2020/04/13(月) 記事URL