※今年公開の映画ではなく、私が2021年に観てよかった映画です。思い出したら書き足します。

『シンクロナイズドモンスター』2016年
求職中でアルコール依存症の主人公(アン・ハサウェイ)が地元に帰って幼馴染の営むバーで働き始めるが……(ネタバレになるのでここまで)なんというか、30・40代のままならなさみたいなものとSFとしての設定がうまく重なり合って、主人公と一緒に怒ったり苦しんだり、最終的にはすっきり笑って終われるかんじ。

『ガンズ・アキンボ』2019年
ダニエル・ラドクリフはオタクっぽかったり文系っぽい青年の役が本当によくあっていて、『もしも君に恋したら。』とはまた違ったオタク青年ぶりが素晴らしかった。アメコミのような展開だし横スクロールのゲームのようなシーンがあったりするけど、特に原作があるわけではないよう。オタクでバイオレンスアクションが好きならきっと好き。

『来る』2018年
スプラッターよりの邦画ホラー。ある会社員(妻夫木聡)に怪奇現象が頻発し、同僚や家族にまで被害が及ぶようになったため、オカルトライターの男(岡田准一)が調査、解決に乗り出すがとにかく大変な目に遭う。終盤の大規模な除霊のために霊媒師が集まってくるのがすごくカッコいいのだが、いざ儀式が始まると岡田准一演じるライターが怖い何かにめちゃくちゃにされすぎていて笑いがこみあげてしまうほど。

『町田くんの世界』2019年
原作の漫画は読んでいないので、原作好きな方が受ける印象はまた違うと思うけど、本当に良い映画だった。出演者がみんな素敵だし、とにかく他人に優しすぎる、純粋すぎる町田くんが恋をきっかけに人としての自分に向き合う大変素直な物語なんだけど、最後がすごく映画らしくて私は大好き。これは嫌いな人もいるなっていうのはわかる。

『ユーフォリア/EUPHORIA』2019年~
海外ドラマ。苦しみながら生きる十代の若者たちを描いているけど、鬱で大きく沈むのではなくずっと薄い鬱のまま、かすかな苦しみを抱えたまま、それでも学校に行ったり友達と遊んで笑ったりもしているけど、本当はいつどうなっちゃうかわからないという不安定な状況がまざまざと描かれていて、言葉で説明しきれないその苦しさと日常が同時に在り得るというのが表現されているのがすごくて怖い。ジュールズ(ハンター・シェイファー)がメイクもファッションもすごくかわいくて、キャラクターとしても大好き。

『リトル・ジョー』2019年
人を幸せにする香りを発する植物を巡るホラー映画なんだけど、BGMに雅楽が使われていて非常に不思議。これは映画としておもしろいというか、ホラーシーンで雅楽が流れるので非常にめでたく、しかし、怖いシーンで流れるという事は外国の人には雅楽は不気味に聴こえているのか? という不思議映画。年始、暇になったら観ると不可思議でめでたくていいのではないかと思う。
2021/12/30(木) 記事URL