『IT』が最初に映画化されたのは1990年で、私は当時10歳だった。映画館で観たのではないことも考えると、91年頃に(当時はレンタルに出るまでにけっこう間があった)親がレンタルしたビデオを観たのだろうと思うが、割と驚かせるタイプの映画であったことと、造形的に恐ろしい化け物や血みどろの演出が多かったため、ほとんど画面を観ず、物語も把握できずに終わった記憶がある。
それでもペニーワイズのイメージはじゅうぶん頭に残り、その後しばらく怖い日々だったように思う。
2017年のリメイク時も、特に避けたわけでもないが映画館には観に行かず、サブスクリプションでも観なかった。それが2020年の今になって、ふと観ようと思い立って、前後編二本とも観た。
よくよく考えてみれば、これまでスティーヴン・キング原作のもっとおどろおどろしいホラー映画を楽しく観てきているのだから大丈夫でしょ、と急に思ったのだ。
結果から言うとすごくおもしろかった。青春映画としての側面も大きく、ちょっと泣いたりもした。
子供時代はベンの知性溢れるロマンティックさにうたれ、大人時代はリッチーの大ピンチでもユーモアを忘れない姿にキュンとした。
しかし、『IT』そのものは克服できたが、やっぱりピエロは怖い。そもそも、ピエロをかわいいとか愉快と思ったことがない。サーカスにだって子供の頃に一度だけしか行ったことがないし、内容はほとんど覚えていない。
日本人にはあまりにも馴染みのないキャラクターであることも大きいように思うが、ピエロはどうしても怖い……。