去年か一昨年のことだったと思う。あまりにも気が滅入るし、マスク生活が続いて日々の化粧がつまらなく感じていたので、ネットで見かけたかわいいチークを買うことにした。
しかし、私は大体自分が似合うであろう色味の範囲から選ぶので、その時もマットなベージュピンクみたいな当たり障りのない色を買おうと伊勢丹ミラーに行った。
希望の色をタッチアップしてもらい、想像通りだけどまあかわいい、と思っていたら、美容部員さんが「こちらいかがですか、似合いそう」とパールベージュゴールドみたいな色をお薦めしてくれた。
しかし、結構黄色みも感じるゴールドだし、ラメ感が強そうで個人的には自分に似合わなさそうな色味。
でも、美容部員さんが絶対いいと思うというのでタッチアップしてもらった。
ゴールドはゴールドだけど、肌に乗せると黄色みより血色感が出るし、ラメが頬の艶みたいに見えてかわいいし大人っぽい。自分では絶対に選ばない色だけど、案外浮いていない。
結局、その場では決断できずに帰ったのだが、後日それを買った。
私にとって、美容部員さんがそんなふうに提案してくれたことも、それをいいと思って買ったのも初めてのことだった。
なんとなく停滞していた時期に自分では見つけられないような目新しい化粧品を薦めてくれていまだにちょっと感謝している。
その後、似合わないと思っていたベージュや、思い切ったラメ感やパール感のある化粧品もどんどん選ぶようになった。