宿の明かりも見えなくなると、木々に囲まれた道路は真っ暗になった。少しだけ欠けた月だけがぽっかりと明るかったが、頼るにはあまりにも空高く遠くて、湖に近づくのが怖かった。
手を繋いで歩いていると、「人間って変わってるな」という思いがまた浮かんできた。
人間のやることなすことぜんぶ、いつもすごく変わっている。もちろん自分を含めて。
水辺で、ここで人生が終わりだったらとってもきれいだけど、実際はもっと必死に生きて、意地汚く終わっていくだろうと思うと何となくホッとした。
2022/10/13(木) 記事URL