とてもつらくて苦しい夜に、泣きながら、胸やお腹がびりびりと裂ける想像をする。自分の思いつきが裂けめからどろりとものがたりになって出てくる。
そのイメージが湧いたとき、私は絶望している。でも、自分で自分を救うには、そうしてできた物語を大事に育てるしか方法がないとわかっている。

私は自分が少し感じやすいだけのふつうの女だと知っている。だから、方法論をもって事に当たる。

傷つき疲弊した自分を休ませ、救えることを丁寧に試す。それでいやな気持ちになっても、あとで絶対に自分を助けてくれることを信じながらやる。信用している人と話す。本当につらいことも、話せそうなら話してしまう。まるで軽やかなことみたいに。でも、本当は何より真剣だとわかるように。

思ってもいないことは言わなくていいし、ちっとも笑えなければ笑わない。ただずっと、有機的にふるまうのだ。あとでまた泣くにしても、何もかもを失うにしても。
2016/05/30(月) 記事URL