全面的に部屋を片付けている。
実家を出たときと違って、とにかく触るもののすべてが自分が選んでそこに置いたものばかりなのでとても気持ちが悪い。何もかもが私を「構成しています」という顔をしていてグロテスクだ。
実家に埋もれていたころはあんなにすべてを自分の思い通りにしたいと思っていたのに。

大好きなくらげの置き物ももう使わないお鍋も、くだらないおもちゃも赤いボールペンも、どれも私の所有物というより、私の実像を支えるつっかえ棒みたいに見えてくる。私はこれらのものものがなければ、私として存在することさえ危ういのだという気がする。
私は相変わらず何者でもない。片付けはつづく。
2016/06/25(土) 記事URL